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教えられない内緒の嫉妬 

 
外科に、聖という直樹より3つ年上の医師がいる。
直樹よりも頭一つ背の高い、大柄な人物で、分厚い眼鏡をかけている。
医師としての腕も良いが、ほのぼのとした人柄が患者に好評らしい。
直樹も西垣と違って見習うべき点が多いと思う医師だ。


…その人物が、最近、やけに琴子と仲が良い。
休憩時間に親密な様子で会話をしている姿が目撃されている。



……と、看護士が噂しているのを聞いた数時間後、その光景を目撃した直樹は眉間に皺を刻んだ。
何の話かよく分からないが、凄まじく盛り上がっており、物凄く気に入らない。


ああ、この苛立ちは分かっている。
鴨狩で覚えた嫉妬。


自分はこんなにも嫉妬深かったのか。


「ああ、琴子さん。入江先生も休憩時間のようですよ」
見つけなくてもいいのに聖は自分を見つけた。
すると、ぱあっと琴子は顔を輝かせた。
普段なら疲れも癒えるのだが、今は苛立ちを増長させるに他ならない。
「入江くん、入江くん、入江く~ん!」
「仲が良いですねぇ」
駆け寄る琴子にのほほんと聖がそう言った。
続いての言葉に、直樹は愕然とする。
「うちの奥さんも琴子さんみたいに素直だといいのですけどね」


は、奥さん?


「聖先生の奥さん、斗南の看護科にいるんだって。
で、今度戴帽式なんだってー
でね、花束のこと、教えてたんだー」


琴子が無邪気に言う。


「琴子さんのお陰で助かりました。
花束のことなど一言も口にしなかったものですから。
普段は言いたい放題言うくせに、そういうことは恥ずかしがって言わないもので」


そんなにあの花束贈呈は、重要なのか?
というか、聖先生、あなたの奥さん大学生なんですか?


心の中でツッコミしたが、聖は心の底から琴子に感謝しているらしく、お礼の言葉の数々を直樹に言ってきた。が、あまり耳に入ってこなかった。
看護士の噂のいい加減さに呆れたが、それ以上に嫉妬していた自分が馬鹿馬鹿しく思えてきた。
戴帽式の花束のことを相談してたなら、盛り上がるに決まってる。
何しろ、琴子なのだから。


「聖先生の奥さん、喜ぶといいねっ!」


「……そうだな」


嫉妬していたとは言えず、そう言った直樹がついた溜息は、幸い、琴子に聞こえることはなかった。
どこまで好きになるのかな? | HOME |

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2016/08/31(水) 20:26:57 | | # [Edit]

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